リョーユーパンの「マンハッタン」とは?九州で愛され続ける昭和49年生まれのソウルフードを徹底解説

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昭和あるある
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昭和後期あるある~リョーユーパンの「マンハッタン」

1974年に誕生した九州のソウルフード。異常な硬さとチョコレートの甘さがクセになり、学校(特に高校で)の購買でも争奪戦になる。

「マンハッタン」と聞いて、ニューヨークの摩天楼を思い浮かべる方も多いはずです。しかし九州の方にとって「マンハッタン」は、もっと身近で懐かしい存在ではないでしょうか。福岡県のパンメーカー・リョーユーパンが1974年に発売した菓子パンで、異常なまでの硬さとチョコレートの甘さがクセになり、学校の購買部では争奪戦になったという伝説を持つロングセラー商品です。発売から50年以上が経った今も、スーパーやコンビニの棚に並び続けているという事実そのものが、マンハッタンがいかに多くの人に支持されてきたかを物語っています。本記事では、この昭和後期を象徴する九州のソウルフード「マンハッタン」の誕生の背景や名前の由来、食感の秘密、そして今も愛され続ける理由を詳しく紹介します。

1.マンハッタンとは?1974年に福岡で生まれた九州の菓子パン

「マンハッタン」は、福岡県大野城市に本社を置く製パン会社・リョーユーパンが販売する菓子パンです。1974年(昭和49年)の発売以来、同社の菓子パンの中でも常に売り上げ上位に入るロングセラー商品として親しまれてきました。

手のひらに収まるサイズながら、生地はぎっしりと目が詰まっていて食べ応えがあり、その表面にはチョコレートがたっぷりとコーティングされています。販売エリアは沖縄を除く西日本エリアが中心で、なかでも九州地方では世代を問わず知られる存在です。まさに、昭和の時代から令和の今に至るまで、九州の人々のおやつの記憶に刻まれてきた一品といえます。

2.名前の由来はニューヨークではなく、あるドーナツとの出会い

「マンハッタン」という名前を聞くと、アメリカ・ニューヨークの中心街を連想する方がほとんどでしょう。実際、この名前はニューヨークのマンハッタンに由来しています。ただし、その由来は観光地としての知名度からではありません。

当時のリョーユーパンの開発担当者が、研修でアメリカを訪れた際、ニューヨークのマンハッタンでたまたま出合ったドーナツにヒントを得たことがきっかけだったとされています。そのドーナツから着想を得て新商品の開発を進めた際、地名であるマンハッタンをそのまま商品名として採用したのが始まりです。異国の街角での出会いが、九州の定番おやつの誕生につながったというのは、なんとも興味深いエピソードです。

3.「異常な硬さ」と称されるサクサク食感の秘密

マンハッタン最大の特徴といえば、なんといってもその独特な硬さです。当時のドーナツといえば、ふんわりとやわらかい食感が主流でした。ところがリョーユーパンの開発チームは、その常識とは逆行する「硬めの生地」を追求したのです。

開発において最も苦戦を強いられたのが、この食感づくりだったといわれています。試行錯誤の末にたどり着いたのが、カリカリ・サクサクとした絶妙な硬さでした。当初は異色とも思える挑戦でしたが、「この硬さがおいしい」という評価を得て、発売後は爆発的なヒットとなりました。

断面を見ると、生地がぎっしりと詰まっているのがよくわかります。この密度の高さが、小さいサイズながらしっかりとした満足感を生み出しているのです。食感については「オールドファッションドーナツのよう」「クッキーとビスケットの中間のような生地」といった声も聞かれ、一般的なドーナツとは一線を画す個性的な仕上がりになっています。

4.生地の旨味を引き立てるチョコレートの甘さ

硬めの生地と並んで欠かせないのが、表面をコーティングするチョコレートです。マンハッタンのチョコレートは甘さが控えめに設計されており、生地そのものの香ばしさや旨味を邪魔しない絶妙なバランスに仕上げられています。

サクサクとした生地の食感と、ほどよい甘さのチョコレートが合わさることで生まれる相乗効果こそが、多くの人を「クセになる」と言わしめる理由です。一度食べると、また手が伸びてしまうという声が多いのも、このバランス感覚のなせる技といえるでしょう。

5.学校の購買で争奪戦?”幻のパン”と呼ばれた伝説

マンハッタンは、食べ応えがありながら価格もリーズナブルなことから、特に学生の間で高い人気を誇ってきました。九州の学校、なかでも高校の購買部では、休み時間になると生徒たちがこぞって買い求め、あっという間に売り切れてしまうことも珍しくなかったといいます。

そのあまりの人気ぶりから、なかなか手に入らない”幻のパン”と呼ばれていた時期もあったそうです。休み時間を告げるチャイムと同時に購買部へ駆け込み、目当てのマンハッタンを手に入れられるかどうかで一喜一憂したという思い出を持つ人も少なくないでしょう。購買部での争奪戦を経験した世代にとっては、マンハッタンは単なる菓子パンではなく、学生時代の記憶と結びついた特別な存在なのかもしれません。

6.販売エリアとリョーユーパンという会社

マンハッタンを生み出したリョーユーパンは、福岡県大野城市に本社を置く製パン会社です。食パンよりも菓子パンの生産に強みを持つのが特徴で、九州エリアを中心に長年にわたり親しまれてきました。

マンハッタンの販売エリアは沖縄を除く西日本エリアとされており、全国どこでも手に入るわけではありません。だからこそ、九州以外の地域で暮らす人にとっては馴染みが薄い一方、九州で育った人にとっては「知っていて当たり前」のソウルフードとして根付いているのです。この地域限定感も、マンハッタンが特別な存在であり続ける理由のひとつといえるでしょう。

7.60種類以上!進化を続けるフレーバー展開

定番のチョコレート味だけでなく、マンハッタンはこれまでに約60種類もの味を展開してきました。長年愛されるロングセラー商品でありながら、時代に合わせて新しい魅力を提案し続けているのも大きな特徴です。

なかでも人気を集めたのが、福岡を代表するブランドいちご「あまおう」とコラボした「あまおうマンハッタン」です。2017年12月に初めて発売され、あまおうパウダーを練り込んだチョコレートに加え、ホワイトクランチをトッピングした贅沢な仕様で好評を得ました。リョーユーパンの企画広報担当者も「福岡を代表するいちごの品種である『あまおう』の人気もあり、あまおうマンハッタンも大変好評をいただいております」と語っており、毎年12月の期間限定で味を変えながら販売が続けられています。

さらに担当者へのインタビューでは、チョコレートと相性の良い食材を使った新フレーバーの開発方針についても明かされました。「マンハッタンはハード(硬め)の生地にチョコがからめている仕様上、チョコレートと相性が良い食材で企画します」とのことで、アーモンドを使ったフレーバーなど、素材選びにもこだわりが感じられます。定番の硬さとサクサク食感はそのままに、味のバリエーションで飽きさせない工夫が続けられているのです。

9.同じくロングセラー!リョーユーパンの人気商品「ヤキリンゴ」

リョーユーパンには、マンハッタンと並んで九州で長く愛され続けているロングセラー商品がもうひとつあります。それが、マンハッタンよりも一足早く1962年(昭和37年)に発売されたリンゴ風味のクリームパン「ヤキリンゴ」です。

硬めの生地とチョコレートの甘さで個性を打ち出したマンハッタンに対し、ヤキリンゴはやさしいリンゴ風味が魅力の商品で、こちらもマンハッタンと並んで九州のソウルフードとして紹介されることの多い一品です。対照的な魅力を持つ2つのロングセラー商品が同じ会社から生まれているという事実は、リョーユーパンが長年にわたり数々のヒット商品を世に送り出してきたパンメーカーであることを物語っています。

10.まとめ:昭和後期に生まれた九州のソウルフードは今も健在

1974年に福岡で誕生したマンハッタンは、当時の常識を覆す硬めの食感と、ほどよい甘さのチョコレートという個性的な組み合わせで、九州の人々に長年愛され続けてきました。学校の購買部での争奪戦や”幻のパン”というエピソードは、まさに昭和後期から平成にかけての九州の学生生活を象徴する思い出のひとつといえるでしょう。

発売から半世紀近くが経った今もなお根強い人気を誇り、あまおうマンハッタンのような期間限定フレーバーも登場するなど、進化を続けているのも見逃せないポイントです。九州を訪れる機会があれば、ぜひスーパーやコンビニでマンハッタンを探して、その独特の食感と味わいを体験してみてはいかがでしょうか。


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